YUKI KARASUYAMA studio

We propose”Space and things” that connect plants and people’s lives.

第8回 躍動する現代作家展 at福岡アジア美術館<参加展示>

第8回 躍動する現代作家展 at福岡アジア美術館<参加展示>

2021年4月1日(木)〜4月6日(火)
会場:リバレインセンタービル7階 企画ギャラリーA・B・C(福岡市博多区下川端町3-1)

主催:空間芸術TORAM  

出展タイトル「共に在る」

COVID-19によるパンデミックの中、
植物は何も起こらなかったかのように動いていました。
「葛」という植物から糸を作ることで、何か発見があるように思いとりくみました。

植物たちは、何も起こらなかったかのように動いていました。

全国に自生する「葛」という植物。

春先に新芽を伸ばし、気にとめて歩いていると、河原や建物のフェンス・道路脇など色々な所で見かけます。

普段目にする葛は、雑草としてのイメージが強いのですが、

日本では古来から、

根は、食の原料や薬として。

葉は、家畜の飼料として。

蔓は、編んで籠や縄、そして、微生物の力を借りて蔓から繊維を取り出し、布を織り日常生活に取り入れられてきました。

2020 年。COVID-19 によるパンデミックの中、

私はふと、何か発見があるように思い、「葛」からの糸作りに取り組むことにました。

この昔から伝わる葛糸作りは、葛蔓を採取後→窯で茹で→ススキで作った「室」の中で発酵させます。

数日後、発酵が“ちょうど良い”状態になった時に、室から取り出し川で洗うと、糸を抽出することができます。

作業前に思っていたこと。。

葛を刈るのは簡単です。発酵中は何もしません。

葛を沢山刈れば、沢山の糸が作れると思っていました。

しかし、

作業を行ってみて感じたことは違いました。

発酵させるためには発酵させる分だけのススキが必要です。

沢山の葛蔓を発酵させようと思えば、必死になってススキを刈り続けないといけません。

また、発酵は途中で待ってはくれません。

この作業は時間と体力・気力の勝負。

ちょうど良い“その時”に、洗い終えることができなかったものは、全てただのゴミとなります。

あたりまえのことかもしれませんが、

植物、動物、人間、ウイルス、太陽、気候..。

生命のサイクルがあり、さまざまな形で共に繋がって在ると感じました。

「ちょうどいい量」 = 自然の流れの中で働くことができる量。

そうして抽出した糸は、とても美しく、愛おしく感じます。

共存すること。生命の循環。

それは、

無理のない生命サイクル、美しいバランスの中にあることだと思いました。

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